著者・前書 
現代世界はすべての面で新しい転換期の時代である。この歴史時代がもう一度正統的マルクス主義の復興を求めて動きはじめている。最近内外でマルクス主義・共産主義に関する出版物が増えているのはその現象である。しかしその多くは国際共産主義運動を変質させたフルシチョフによる「スターリン批判」という名のブルジョア的修正主義思想に影響されており、その結果マルクス主義がわい曲され、修正され、自由主義的に解釈されている。これは歴史科学の法則として必然であり、弁証法的運動法則にもとづいて必ずそれは正しい方向に収れんされていく。そのためにもここでマルクス主義の絶対的真理を、その原点たる哲学(唯物論・弁証法・史的唯物論)にもとづいて全面的に論ずる。その核心は以下のとおりである。

 第一節では、マルクス、エンゲルスとは何者か。その生涯は何であったのか。このことを有名なエピソードをふくめて正確に、はっきりと明らかにした。

 第二節では、マルクス主義的世界観、歴史観、運動法則とは、すべてを発展と前進と止揚であるという、弁証法的哲学であることを論じた。

 第三節では、マルクス主義の原点たるその哲学を、唯物論・弁証法・史的唯物論について全面的に論じた。

 第四節では、経済学の諸問題を全面的に論じた。

 第五節では、社会主義経済学、社会主義について、そしてレーニンとスターリンのソビエト社会主義の本質とその巨大な勝利を史実にもとづいて明確にした。あわせて、ソビエト社会主義がなぜ途中で、一時的に、未来のために崩壊したのかを論じ、同時にスターリンや毛沢東の時代が、その歴史的制約のもとで解決できなかった課題をいかに「止揚」すべきかという、われわれの任務について論じた。

 以上である。もう一度強調しておきたいのは、すべては哲学であり、哲学原理から理論と実践、闘いと運動を支配せよ、ということである。そういう正統マルクス主義の原理・理念・原則によってこの文献は貫かれていることに留意していただきたい。
〈学習のすすめ〉の目次

序 論

第一節
マルクス、エンゲルスとは何者か。その生涯は何であったのか。このことを有名なエピソードをふくめて正確に、はっきりと明らかにする!
(一) カール・マルクス、その生涯。
(二) 一八七九年の出来事、そのエピソードの中にマルクスの生きた姿がある。歴史上の事実を通じてマルクスの
   人間性、人格、人間像をしっかり認識し、われわれの中にもそれを確立しよう!

(三) フリードリヒ・エンゲルスとその生涯。すべてをマルクスにささげつつ、思想的・政治的・理論と実践において、
   常に一体となったその一生のなかにこそ、二人は一つであり、二人を切り離すことはできないことの証明があ
   る!
第二節
マルクス主義的世界観・歴史観・運動法則とは、すべては発展と前進と止揚という弁証法的哲学観であることを確認せよ!
(一) 歴史的事件をどうみるかの教科書は『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』(マルクス、一八五一 ― 五二
   年)である。つまり歴史的事件を哲学原理(歴史科学)と『共産党宣言』から演繹的にみるとき、ソ連・東欧の崩
   壊の根源、元凶はフルシチョフの「スターリン批判」という名の修正主義によって、党と権力が変質し、マルクス
   主義が完全に放棄された結果であった。すべては権力問題であり、すべては哲学的内因論にある!

(二) マルクス主義とは何か。それはどのようにして生まれ、成長し、完成されたのか。その原理からみるとき、ソビ
   エト、東欧、中国の社会主義崩壊は、社会主義と共産主義の最終的勝利のために必要なステップである。歴
   史とはこのような必然と偶然の統一された発展と前進であり、弁証法的歴史発展のみごとな証明である。
   弁証法的歴史科学からすべてをみつめよ!
第三節
マルクス主義の出発点、その原点は哲学である。唯物論・弁証法・史的唯物論を正確に認識せよ!
(一)マルクスの『フォイエルバッハにかんするテーゼ』について!この「テーゼ」の歴史的意義、綱領的意義、マル
   クス主義哲学の核心としての意義を語ったエンゲルスの思想認識を深く知らねばならない。このことがマルク
   ス主義哲学学習の出発点である。

(二)『フォイエルバッハにかんするテーゼ』の第一の項に唯物論の原点がある。ここに万物を支配する哲学原理が
   ある。この項を深く、しっかり、はっきり、正確に理解できるか、できないか、ここで本当のマルクス主義者か、
   否かが決定される!

(三)マルクス主義哲学の核心たる『フォイエルバッハにかんするテーゼ』の第十一の項「哲学者たちは世界をただ
   さまざまに解釈してきただけである。肝腎なのはそれを変えることである」というこの一文のもつ深遠な思想
   的・政治的意味をよくつかめ。そして哲学者たる者の保持すべき人格、人間性、人間像とは何かを説くマルク
   スの心を知れ!

(四)マルクス主義哲学は「弁証法的唯物論」と「史的唯物論」によって構成されている。エンゲルスとレーニンもはっ
   きり確認しているとおりである。ところが敗北的修正主義はこのことが理解できない。ここにも彼らの浅くて、薄
   っぺらな(浅薄な)典型がある。反面教師としてここからもわれわれは学ばねばならない!

(五)史的唯物論について
第四節
経済学とは何か。経済学の根本原則をしっかりと学べ!
(一) アダム・スミスと古典経済学の歴史上の位置、その形而上学的・観念論的本質について!
(二) 歴史科学、社会科学としてのマルクス主義経済学について!
第五節
社会主義経済学、社会主義とは何か。レーニン、スターリンの偉大なソビエト社会主義建設の勝利を確認せよ。そしてわれわれはこれを正しく止揚≠オなければならない!
(一) マルクス主義経済学とは、目的意識的で、科学的であり、計画的で、社会的(社会主義的)計画経済である。
   その正しさはレーニン・スターリンのソビエト社会主義建設の四十年が、偉大な勝利としてはっきり証明してい
   る。その歴史的事実、客観的事実をしっかりと確認せよ!

(二) ソビエト社会主義の偉大な勝利とその成果が崩壊したのは、フルシチョフによる「スターリン批判」という、反マ
   ルクス主義的ブルジョア思想によって、ソビエトの党と国家がブルジョア的に変質した結果であった。そしてこ
   れは、マルクスが予言し、レーニンが予告し、警告していたことであり、社会主義が最終的に勝利するため必
   要な全歴史過程における、必然性の中の偶然性であった!

(三) レーニン、スターリンの偉大なソビエト社会主義が内部からの変質によって崩壊したこと。それはフルシチョフ
   やケ小平の裏切り者が出現したからだということ。こうして社会主義は一度、はじめから再出発するに至ったこ
   と。これらはみな、マルクスやレーニンがはやくから予言し、予告し、警告していたことであり、その歴史的意味
   をよく理解しなければならない!

(四) マルクスが提起し、レーニンが実現した、社会主義建設勝利のカギとなる、プロレタリア独裁(労働者階級と人
   民の支配とその権力)の物質的表現たる「評議会」(ソビエト)の思想的(理論的)意義をしっかりつかみ、これ
   を堅持し、これに依拠して権力を執行せよ!

(五) われわれはレーニン、スターリンの偉大なソビエト社会主義建設の勝利とその成果を止揚≠オなければな
   らない。つまり、その原則的で基本的な勝利の部分を断固として継承する。同時にその時代には解決し勝利に
   至らなかった部分は、後継者たるわれわれによって必ず解決し、新しいものを付け加えて完成させる、というこ
   とである。これが哲学原理と科学法則たる止揚≠ナある。

(六) レーニン、スターリンの偉大な社会主義を止揚≠キべきもう一つの側面たるもの、すなわちレーニン以後の
   社会主義運動が、歴史上の制約によって未解決となった諸課題、そして歴史がわれわれにそれを解決し、マ
   ルクス主義運動をさらに発展、前進させるよう託し、止揚させるよう求めた課題とは何か!

結 語
われわれの未来展望とそのスローガン!
後書き
日本共産党(行動派)中央委員会
〒135-0003  東京都江東区猿江2-16-23-1410   Tel:03-6666-9588   Fax:03-6666-9581