〈最近の人民戦線の
重要基本文献集









 イラク戦争は二〇〇三年三月十八日に始まった。この戦争はアメリカが始めたものである。ブッシュ大統領が内外に宣言したその大義名分は「イラクのフセイン大統領が保持する大量破壊兵器は世界平和のために危険であり、これを制圧し、フセインを打倒するのは正義である」ということであった。ところが当のアメリカ調査団の、あるいは国連の、すべての調査結果をみても明らかになった通り、これは大うそであった。つまり、イラクにはそういう化学兵器なるものは何一つとしてなかったのである。ここにすべてがある。つまりそれは、歴史上の帝国主義と帝国主義戦争とまったく同じように、アメリカ帝国主義による中東支配(石油支配)のための現代帝国主義戦争だったのである。これが帝国主義であり、帝国主義戦争であり、ここに本質がある。

 ところが、世界中の、そして日本の、多くのマスメディア、政治家、評論家は、イラクの戦争を帝国主義戦争としてではなく、アメリカのテロ対策だとか、ブッシュが始めた十字軍戦争だとか、「九・一一」の同時テロへの反撃だとか、そういう言論を展開している。そしてせいぜいこれを批判する場合でも、そのやり方がまずいとか、やり過ぎだとか、ケリーのように「私ならもっとうまくやってみせる」式のものである。これはまさしくブッシュの帝国主義戦争擁護論であり、ブッシュへの弁解であり、大衆を欺く迷論であり、非科学的空論であり、非歴史的幻想論である。

 そうではない。これはまさしく人類の歴史を一貫して貫いている科学法則、社会科学の運動法則、歴史科学の産物なのである。イラク戦争はまさに帝国主義戦争であり、二十一世紀初頭の帝国主義戦争であり、アメリカ帝国主義(地球上最後の帝国主義)崩壊のための戦争である。

 科学法則、社会科学、歴史科学の法則とは何か。それは「生産力の発展が生産関係を規定していく」という基本法則のことである。生産力とは、人間が生きるための絶対的なものとしての衣・食・住の生産であり、それは人間の本能であり、生命活動の原点である。だからこれが人類の生産力発展の原動力であり、だから生産力は一貫して運動し、発展し、前進し、飛躍していく。そしてその結果が、生産力の発展と進歩の度合いに応じて生産関係(生産に従事する人と人との相互関係、人間関係、社会制度、国家形態)も変化していく。これが科学法則、社会科学、歴史科学の法則である。

 この法則にもとづいて人類の歴史は一貫して進んできた。そして人類社会は十九世紀末に資本主義の最高、最後の段階としての独占資本と帝国主義の時代に到達した。帝国主義とは独占資本であり、他民族への侵略と支配と収奪であり、その手段としての帝国主義戦争である。故に帝国主義とはまさに戦争と暴力・略奪と虐殺・支配と収奪マシンであり、凶暴な階級支配であり、歴史上最悪にして最後の悪である。イラク戦争はこのことをみごとに証明している。われわれは科学的法則、社会科学、歴史科学の立場から、帝国主義の本能と帝国主義戦争の本質をしっかりと認識しなければならない。